注意することってあるの?
そうすると、安い戸建ての方が当然、利回りはいいよね。
なので、みんな安い戸建てを買いたいんだけど、安い戸建ては将来建て替えができない場合があるんだ。
今、戸建住宅が建っていたのに、将来建て替えができない土地なんてあるの?
既存住宅が建築された当初はなかった法律が、長い年月の中で新しい法律ができて、建物が再築できない土地になってる場合があるんだ。
なのでそういった戸建住宅は、将来建て替えができないので、安く売られている場合があるから注意が必要なんだ。
今回の悩み
・戸建住宅を買う際に注意すること
・土地を買う際に注意すること
・将来、建て替えができない場合がある3つのケース
将来建て替えができないということは、将来戸建を売却する際に取り壊してしまうと、駐車場や資材置き場などしか利用できなくなるため、売りたくても売れない場合があります。
なので、買う前に建て替えができる土地であるかどうかは非常に重要です。
市街化調整区域の土地を買う時に注意

都市計画法で、都市計画区域は市街化区域と市街化調整区域に線引きされています。
簡単に言うと、市街化区域は市街化を形成している区域で、
市街化調整区域は市街化を抑制する区域です。
そのため、市街化区域は、道路、下水道、上水道等のインフラ関係が整備され、都市が積極的に形成されいく地域に対して、
市街化調整区域では市街化を抑制して、自然環境を守る地域です。
なので、市街化調整区域内は原則、新たに建物を建築できません。
一定の要件を満たさないと建築することができないのです。
そのため、再建築する際も、自由に建築できるわけではありません。
一定の制限があって、同種同規模の建物であれば、市町村の開発審査会の審査を通して、許可されれば建築できます。
なので、戸建てを買って、同規模の戸建ては再築できるけど、それよりも大きな戸建てを再築しようとするときに制限がかかります。
例えば、市街化調整区域で平家を買って、2階建てに再築しようとした場合や
敷地が非常に広くて小さな戸建てが建っているときに、将来建て替えて大きな家を建てようとした場合に
従前と同規模の建物しか建築できないので注意が必要です。
ただし、市街化調整区域であっても、地区計画によって指定されている地域では地区計画の内容に合致する建物であれば再建築できます。
なお、住宅以外であれば建築できる建物はあります。
市街化調整区域で建築できる建物は以下のとおりです。
■手続きは必要ですが、都市計画法の許可はいらないもの
都市計画法第43条第1項本文、各号により、許可不要とされているものは以下のとおりです。※許可不要でも、事前協議や届け出が必要となる場合がありますので、必ず宅地課へご相談ください。
号 内容 本文 農業、林業若しくは漁業の用に供する建築物(例:農業用倉庫、畜舎等)又はこれらの業を営む者の住宅(都市計画法第29条第1項第2号) 本文 駅舎その他の鉄道の施設、図書館、公民館、変電所その他政令で定める公益上必要な建築物(都市計画法第29条第1項第3号) 1 都市計画事業の施行として行う建築物等 2 非常災害のため必要な応急措置として行う建築物等 3 仮設建築物(建築基準法第85条に規定する仮設建築物とする。) 4 法第29条第1項第4号から第9号までに掲げる開発行為が行われた区域又は住宅地造成事業に関する法律(昭和39年法律第160号。なお、現在は廃止されている。)第4条の認可を受けた区域(旧事業法団地)での建築物等 5 通常の管理行為、軽易な行為
■都市計画法の許可が得られれば建築できるもの
都市計画法第34条により、例外的に建築が認められるものは以下のとおりです。
なお、許可基準は札幌市開発許可等審査基準(第7章「法第34条関係」)で定めていますが、詳細については、宅地課へお問い合わせください。
号 内容 1 主として周辺居住者の利用に供する公益上必要な建築物又は日常生活に必要な物品の販売・加工・修理等の業務用の店舗、事業場等 2 市街化調整区域内の鉱物・観光等の資源の有効利用上必要な建築物 4 農林漁業用施設(許可不要のもの以外のもの)、市街化調整区域で生産される農林水産物の処理・貯蔵・加工用建築物 6 都道府県が国又は独立行政法人中小企業基盤整備機構と一体となって助成する中小企業者の行う他の事業者との連携若しくは事業の共同化又は中小企業の集積の活性化に寄与する事業用建築物 7 市街化調整区域内に現存する工場の事業に密接に関連する事業で、事業活動の効率化のため市街化調整区域に必要な建築物 8 火薬類の貯蔵・処理用の火薬庫、火薬類の製造所 9 円滑な道路交通の確保のため適切な位置に設けられる給油所等 10 地区計画区域内における、当該地区計画に適合している建築物 13 市街化調整区域編入の際の土地所有者等が編入時から5年以内に行う自己用の建築物等 14 前各号に掲げるもののほか、開発審査会の議を経て、開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認めるもの
がけ条例にかかる土地を買う時に注意

各県にはがけ条例と言われる条例があります。
内容は、がけがある一定の高さを超えた場合に適用されて、そのがけの高さ×何倍の範囲は、がけの下、がけの上ともに建物の建築ができません。
例外的に、そのがけについて、堅固な地盤又は特殊な構造方法によるもので安全上支障がないものとして知事が定める場合は建築できます。
簡単に言えば、その崖、擁壁の新設した際に、その擁壁について建築確認を受けて建築されていれば、安全上支障がないものと認められる可能性が高いです。
そういったものがない場合は、現在がけ付近まで建物が建築されていても、今後建て替えの際は、崖から相当の距離を離してしか建物を建築できません。
なので、敷地が狭い場合はほとんど建物を建築できるスペースがなくなってしまう敷地もあります。
例えば、
愛知県では以下の通りで、がけの高さが2mを超える場合は、崖の高さ×2倍の範囲は建築できない可能性がでてきます。
建築物の敷地が、高さ2mを超えるがけに接し、又は近接する場合は、がけの上にあってはがけの下端から、がけの下にあってはがけの上端から、建築物との間にそのがけの高さの2倍以上の水平距離を保たなければならない。
ただし、堅固な地盤又は特殊な構造方法によるもので安全上支障がないものとして知事が定める場合に該当するときは、この限りでない。出典:愛知県建築基準条例第8条
これは県によって違います。
例えば、
がけの高さ | 建築できない範囲 | |
愛知県 | 2m | がけの高さ×2倍 |
広島県 | 5m | がけの高さ×1.7倍 |
福岡県 | 3m | がけの高さ×2倍 |
なので、高低差のある土地を買う場合は、各県のがけ条例を確認する必要があります。
細い道路に面している土地を買う時に注意
細い道路に面している土地を買う場合は特に注意してね
建物を建築するためには、
幅員4m以上の道路に2m以上接道しないと、建物は建てれません。
(敷地と道路との関係の特例の基準)
第十条の三
4 法第四十三条第二項第二号の国土交通省令で定める基準は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。
一 その敷地の周囲に公園、緑地、広場等広い空地を有する建築物であること。
二その敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員四メートル以上のものに限る。)に二メートル以上接する建築物であること。
三 その敷地が、その建築物の用途、規模、位置及び構造に応じ、避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する通路であつて、道路に通ずるものに有効に接する建築物であること。
出典:建築基準法施行規則第10条の3の4
なので、道路に接道していない無道路地は建物を建築できません。
そして、大切なことは道路と言っても、建築基準法上の道路に接道しないといけません。
建築基準法上の道路とは何かと言うと以下のように建築基準法で定めれられた道路です。
建築基準法 | 内容 |
42条1項1号 | 幅員4m以上の道路法による道路(国道・県道・市町村道など) |
42条1項2号 | 都市計画法の開発許可、土地区画整理法、旧住宅地造成事業に関する法律により造られた道路(開発行為によって造られた「開発道路」など) |
42条1項3号 | 「既存道路」 (昭和25年11月23日の建築基準法施行時に既に幅員4m以上あった道路) |
42条1項4号 | 都市計画法で2年以内に新設または変更の事業計画のある道路 (工事前または工事中で道路形態が整っていない事業計画の段階の道路で特定行政庁が指定したもの) |
42条1項5号 | 「位置指定道路」 開発許可が必要となるような大規模な開発(市街化区域で1000㎡以上など)ではなく、開発許可が不要な小さな宅地分譲地で造られた道路で、政令で定める基準に適合し、特定行政庁から位置の指定を受けたもの |
42条2項 | 「いわゆる2項道路」 幅員1.8m以上4m未満で建築基準法施行時に家が立ち並んでいた道で、一定条件のもと特定行政庁が指定した道路(道路幅員の中心線から2mのセットバックをすれば建築することができます) |
43条2項1号 | 幅員4m以上の通路に2m以上接する建築物のうち、国土交通省令に適合し、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと「認定」した通路 ※通路扱いであって、道路ではありません。 |
43条2項2号 | 【旧43条但書の許可通路】 建築基準法上の道路とは異なり、原則として増改築や再建築不可ですが、建築審査会の同意を得て、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと「許可」した通路 ※通路扱いであって、道路ではありません。 |
ここで注意が必要なのは、いわゆるアスファルト舗装された公道がすべて、建築基準法上の道路ではないことです。
一般的に公道と言われる道路は、国道・県道・市町村道の道路法上の道路です。
道路法上の道路とは、国、県、市町村が路線認定した道路で、各管区長が管理する道路です。
県道〇号線、市道〇〇号線と名前がついています。各県土整備事務所や市役所等で閲覧ができます。
この道路法上の道路に認定された道路であっても、建築基準法上の道路でないことがたまにあります。
これは道路法上の指定範囲と建築基準法上の指定範囲が違うからです。
そのため、市役所でも道路法上の道路は例えば路政課で、建築基準法上の道路は建築指導課で確認する必要があります。
なので、一般の方がこれらの道路の違いを調べるのは難しいので、購入しようとする土地の前面道路の幅員が4mない場合はその道路が建築基準法上の道路に該当して再建築できるかどうか、宅建業者の方に確認するようにしてください。
将来売却する際の価格に大きく影響します。
基本的には幅員1.8m以下の通路に面している土地は再建築できない可能性が高いので要注意です。
まとめ

戸建を投資用に購入する場合は、再建築できる土地かどうか確認して買うことが大切です。
将来、更地で売れるためには、当然購入者は建築する目的で土地を購入する人が多いです。
なので、建築できるかどうかが将来売れるかどうかに大きく影響します。
将来、建て替えができない場合がある3つのケース
1、市街化調整区域の土地
2、がけ条例にかかる土地
3、細い道路に面している土地
物件を案内してもらう段階で、極端に安い戸建ては「将来、建て替えできますか?」と宅建業者の方に聞くことが大切です。

今回も記事を読んでいただきまして、ありがとうございました。
↓こちらをポチっとしていただけると大変励みになります。
人気ブログランキング