RC物件は融資もつきやすいんでしょ?
RC物件は築古になっても、木造や軽量鉄骨に比べて融資もつきやすいね。
ただ、築古の高利回りのRC物件は初心者のうちはやめておいた方がいいよ。
【今回の悩み】
・高利回り物件なのにどうしてやめた方がいいの?
・融資もつくのに築古RC物件は初心者のうちは、どうしてやめておいた方がいいの?
・築古高利回りのRC物件のリスクがわかる
・高利回り物件なのに、やめておいた方がよい理由がわかる
・初心者のうちは融資がついても、築古RC物件はやめておいた方がよい理由がわかる
・築古高利回りのRC物件に向いている人がわかる
目次
築古高利回りのRC物件の特徴

まずは、築古高利回りのRC物件の特徴を解説するね。
・空室率が大きい物件が多い
・空室を埋めるために、購入後すぐに広告宣伝費、リフォーム費用が結構かかる
・購入後、半年以降に課税される不動産取得税が結構高い
・RC造は木造に比べて融資がつきやすい
最近、ちらほら地方で築古高利回り物件が出てきました。
高利回り物件は通常、満室想定利回りが高くて、実質利回りが低い物件がほとんどです。
つまり、想定の満室賃料に基づく利回りが高いだけであって、空室率を考慮すると、実質の賃料に基づく利回りは低いのです。
高利回り物件は空室率が大きい物件が多いのです。
また、空室を埋めるために、購入後にすぐに広告宣伝費、リフォーム費用が必要になってきます。
前オーナーの時にも賃貸募集をしていたはずなのに、埋まっていないということは、通常の賃貸募集以上の費用をかけないと空室が埋まらない可能性があります。
空室が埋まらない限りは、入ってくる実質の賃料は少ないので、低い利回りのままです。
不動産を購入して半年以降に不動産取得税が課税されます。
その不動産取得税は通常、固定資産税評価額の3~4%程度です。
RC造の物件は建物規模が大きく、建物の固定資産税評価額も高いので、不動産取得税を支払うためにある程度のまとまったお金が必要になってきます。
RC造は木造に比べて融資がつきやすいメリットもあります。
なぜなら、RC造は木造に比べて、建物の耐用年数が長いので建物自体の積算評価額が高いので融資がつきやすいのです。
フルローンが可能な場合もあります。
土地値と建物の残存価値が融資額より多ければ、フルローンも可能なのです。
築古高利回りのRC物件は、融資はつくけど、空室率が高く、購入後すぐに結構なお金が必要です。
高利回り物件リスク1(資金ショート)

資金ショートについて解説します。
高利回り物件は空室率が大きい物件が多いです。
空室部分を埋めて稼働率を上げることができれば、実際に入ってくる賃料収入も増えますよね。
そうすると、銀行への借入金の返済も楽になります。
ですが、空室を埋めるためには、最初に広告宣伝費、修繕費が結構かかります。
前オーナーの時に賃貸募集していた時以上に費用をかけないといけないかもしれません。
例えば、前オーナーの時、広告宣伝費が家賃の1ヶ月、退去後のリフォームをしていないのであれば、広告宣伝費も2ヶ月以上、リフォームも1部屋当たり数十万円必要になる可能性があります。
しかも、購入後すぐにこのお金が必要になってくるのです。
これらの費用をだすお金がないと、いつまで経っても空室を埋めることができず、銀行からの借入金の返済も厳しいままです。
さらに、購入時以上に退去が起こり空室が増えると借入金の返済もできなくなる恐れがあります。
購入時に手持ちの現金をある程度残しておかないと、借入金の返済ができず、資金ショートする危険があります。
高利回り物件リスク2(維持管理コストが高い)

まず税金が高いです。
RC造は建物の固定資産税評価額が高いので、
不動産取得税
建物固定資産税
が木造に比べて高いです
次に、RC造は通常エレベーターがついていますので、
エレベーター点検費用
消防点検費用
がかかります。
さらに、築古RC物件は修繕費用も結構かかる場合があります。
例えば、高利回り物件は通常、築30年以上の物件が多いため、給排水管が老朽化して水漏れしている場合があります。
RC造は木造に比べて、水漏れ箇所がわかりにくいので、多額の費用がかかる場合があります。
その他、RC造で多額の大規模修繕費用として、
外壁塗装
屋上防水費用
エレベーターの交換費用などがかかる場合があります。
修繕費用のみを借入れすることも考えられますが、修繕したからと言ってすぐに賃料がアップしたり、入居者がすぐ見つかるとも限りません。
大規模修繕費用も銀行から借入れすると、本体と合わせると毎月の返済金額が増えるため、空室が埋まらない限り収支は苦しいままです。
購入後の維持管理コスト、大規模修繕費用が高いので、空室が埋まらないといつまでも返済が苦しいです。
高利回り物件リスク3(空室が埋まらないかもしれない)

空室率が大きいので、その空室を埋めるためのノウハウや経験をもっている人であれば、空室を埋めて高稼働で回すことができます。
しかし、
初めて買う初心者が融資がでるからと言って1軒目からこのような築古高利回り物件を買うと、後から大変な目に合います。
空室を埋めるノウハウがないため、管理会社任せになってしまいがちで、管理会社に任せたからといっても数ヶ月経っても埋まらない場合もあります。
しかも、前オーナーも保有時に空室を埋める努力をしている可能性が高いのに、いきなり初心者が購入して空室を埋めるのはかなり大変です。
単純に購入した後、紹介してくれた不動産屋に任せておけば大丈夫だろうと思ったり、前オーナーと同じ管理会社に任せておけば大丈夫だろうと思うのは大間違いです。
なぜ、前管理会社の時に空室が埋まらなかったのかと冷静に考えないといけません。
空室を埋める対策
空室を埋める対策には
①ターゲットの選定・明確化
②募集方法の検討
③募集オプションの追加など
①ターゲットの選定・明確化
例えば
現在の間取りに合うターゲットを洗い出し、そのターゲットに向けた募集方法をとることが必要です。
単身用マンションであれば、ターゲットは学生、社会人、高齢者、生活保護者、外国人などが考えられます。
そのターゲットに合わせた募集の方法を考えないといけません。
②募集方法の検討
募集方法
・宅建協会、アットホーム、ジモティーなどのインターネットからの募集
・フリーペーパーの広告
・行政機関への働きかけ
・ターゲットに合わせたツイッター、インスタなどのSNSの活用
・募集チラシをもってオーナー自ら賃貸業者回りなど
都心に住んで地方の物件を買った場合、サラリーマンであれば自ら賃貸業者回りをしたくても、週末遠すぎて行けない場合もでてきますね。
③募集オプションの追加
・広告宣伝費の上乗せ
・入居者の仲介手数料を無料化(オーナーが実質負担)
・フリーレント期間(家賃が無料の期間)の設定
・成約時に入居者へのギフト券、家電製品のプレゼントなど
のサービスオプションの付与などの差別化が考えられます。
空室が埋まらない可能性もあります。
高利回り物件リスク4(出口が難しい)

築古物件を購入して、数年後売ろうと思った場合に出口(売却)が難しい場合があります。
持ち続けて築40年以上になると、次の購入者への銀行の融資期間が10年程度になることが多いため、その物件を購入するためには自己資金を多めにいれないといけなくなります。
そうすると、多額の現金を持っている買主に限定されてしまうので売れづらいです。
さらに、将来の解体費用を考えることも必要になります。
築50年近くなると解体費用も考えないといけなくなります。
例えばRC造の解体費に坪5万円かかるとすると、
各部屋25㎡、各階4部屋、4階建、16戸、建物延床面積444㎡(134坪)の場合
25㎡×4部屋=100㎡
100㎡×4階=400㎡
レンタブル比を90%だとすると
建物延床面積は、400㎡÷90%=444㎡
444㎡×0.3025=134坪(建物延床面積)
解体費は 134坪×5万円=670万円
木造であれば解体費はRC造に比べて少ないので、将来更地にして売却することも考えられますが、
RC造は解体するにも多額のお金がかかるので更地にするのは大変です。
築古RC物件は、古くなればなるほど、出口が難しくなります。
まとめ

築古高利回りのRC物件は次のような人向きといえます。
・購入後もある程度の現金をもっている人
・空室を埋めることのできる玄人
・時間とお金とやる気がある人
・専業大家向け
反対にこのような人は向いていないと言えます。
・購入後にある程度の手持ち現金を残せない人
・投資初心者
サラリーマンの副業感覚では不動産投資経験を積んでからRC造の築古高利回り物件にチャレンジしたほうがいいです。

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